ブログやホームページなどのWEBサイトはもちろん、工夫次第でWEBサービスまで簡単に作れてしまう便利さが魅力のWordPressですが、サイトの表示速度が遅くなりがちという欠点を抱えているため、自力で対策を行わなければなりません。

表示速度の低下はSEOにも悪影響を及ぼすだけでなく、訪問者の離脱による機会損失も引き起こすため、気づいた時点で早急な対策が必要であるほか、事前の予防策を講じる必要もあります。

この記事ではWordPressで行える表示速度の改善方法を思いつく限り紹介していますので、WordPressを使ってサイトを運営している方は是非最後までご覧ください。

はじめに:現状を確認しよう

まず初めに、ご自身が運営されているサイトの表示速度の現状を確認しましょう。

表示速度を計測できるサービスはいろいろありますが、ここではGoogleが提供している「PageSpeed Insights」を利用します。

以下のリンクからPageSpeed Insightsのサイトにアクセスし、ご自身のサイトのドメインを入力して表示速度を確認してください(PCとスマホで別々に表示されます)。

ここでPC、スマホ共にランクが80以上であればユーザーに優しく、SEO的にもよいサイトができていると言えますが、80未満の場合は対策必須であるため、必ずこの記事を読んで対策を行うようにしてください。

また、80以上であってもこの記事で紹介する対策を行っていない場合は、今後も継続してサイト表示を安定させるための予防策として対策を施すようにしてください。

それでは対策の紹介に移ります。

1.全体の対策

WordPress全体に関わる対策手法です。

1-1.サイトのSSL化

セキュリティの向上だけでなく通信速度を向上させる効果もあるSSL(暗号化通信,URLがhttpsで始まり、ブラウザのURL部分に鍵マークがつくあれです)を導入する方法です。有名なレンタルサーバーの多くでは無料で利用できるものが提供されているため、コストを抑えて手っ取り早く導入したい方はこれを、無料SSLが提供されていない場合やより信頼度の高いものを使いたい場合は有料のものを契約して導入しましょう(契約もレンタルサーバーから行えます)。

1-2.モジュール版PHPまたはFastCGIの利用

WordPressはPHPというプログラミング言語で作成されていますが、このPHPをCGI版からモジュール版へ変更するか(両者の詳しい違いは割愛させていただきますが、CGI版よりもモジュール版のほうが性能が良いです)、モジュール版と同等の性能を持つFastCGIに変更することで表示速度を高速化することができます。

このモジュール版PHPやFastCGIは有名なレンタルサーバーであれば大抵利用可能ですが、参考までに対応しているサービスをご紹介します。

  • 1.ロリポップ(スタンダードプラン以上)…モジュール版PHPに対応
    2.エックスサーバー(全プラン)…FastCGIに対応
    3.CPIレンタルサーバー(プランが1つのみ)…モジュール版PHPに対応
    4.シックスコア(全プラン)…FastCGIに対応
    5.さくらのレンタルサーバー(全プラン)…モジュール版PHPに対応
  • ちなみに、セキュリティ面ではモジュール版よりもCGI版のほうが優れているようなので、FastCGIに対応しているサーバーを使うほうが良いかもしれません。

    1-3.CSSファイルを見直す

    子テーマなどでCSSをカスタマイズしている方や、自作のテーマを使用している方に要注意なのが、不要なコメントや無駄な余白、もう使っていないクラスといったCSSファイルの余計な内容です。

    CSSファイルはこれらによって肥大化し、表示速度に影響するため、余計なものは全て削除してスマートな状態を保つようにしてください。

    1-4.無駄なプラグインとウィジェットを消す

    プラグインの入れすぎやウィジェットの多用は表示速度を著しく低下させるため、無駄なプラグインは削除し、ウィジェットは必要最小限に抑えてください。

    特に有名なセキュリティプラグインであるSiteGuard WP Pluginはこれ一つで表示速度をかなり低下させるため、このプラグインが最低限のセキュリティ対策しかできないことを考えると導入する価値が乏しいと言えます。

    次はプラグインを使った対策に移ります。

    2.プラグインを使った対策

    サイトを軽くする機能を持ったプラグインを使う方法です。前項で「プラグインは表示速度を低下させる」とお伝えしたため戸惑った方もおられるかもしれませんが、プラグインの中にはサイトを軽くする効果があるものも多くあるため、対策上、導入は必須です。

    2-1.Autoptimize

    Autoptimize

    表示速度低下の原因となるもののデザインに欠かせないCSSとJavascriptを最適化し、冒頭で紹介したPageSpeed Insightsで表示されることが多い「スクロールせずに見えるコンテンツのレンダリングをブロックしている JavaScript/CSS を排除する」という改善項目の改善を一手に引き受けてくれる、基本的な設定がデフォルトで行われているという便利さに加えて日本語対応済みという至れり尽くせりなプラグインです。

    これ1つで相当な効果があるため、まだ導入していない方は今すぐ導入するようにしてください。

    2-2.WP Fastest Cash

    WP Fastest Cache

    サイトのキャッシュを生成し、HTMLとCSS、Javascriptの圧縮も行うことによって表示速度を改善するプラグインで、こちらも日本語に対応しています(日本語化は設定画面下の言語の選択項目から行えます)。

    先程紹介したAutoptimizeと機能がかぶっているところがあるものの、ブラウザキャッシュの設定といったキャッシュ周りの詳細な設定ができることが強みなのでこちらも導入しておきましょう。

    有料版も存在していますが、無料で十分に活用できるプラグインです。

    2-3.EWWW Image Optimizer

    EWWW Image Optimizer

    投稿などのコンテンツのサイズを肥大化させる大きな原因である画像を圧縮することでファイルサイズを減らすプラグインで、日本語対応済みであるため設定はスムーズに行えます。

    画像の質自体は落ちるため、鮮明な画像を掲載する目的のサイトであれば不要ですが、特に理由がない場合は導入するのをお勧めします。
    こちらも有料版が用意されており、購入すればより高度な機能を利用できますが、画像の圧縮だけであれば無料でも十分です。

    まとめ:それでも改善しないときは…

    ここまで具体的な表示速度改善の施策を紹介してきましたが、どの方法を試してもPageSpeed Insightsの数値が改善しない場合は、サイトのキャッシュを削除してから再度試してみてください。

    それでも数値が改善しない場合や、自分でサイトを表示したときに読み込みが遅く感じられる場合は、使用しているサーバーがアクセスを捌ききれていないという事ですので、上位プランへの乗り換えやよりハイスペックなサーバーへの乗り換えを検討すべきです。

    この記事を読んでくださった皆様のサイトがストレスなく表示されるようになることをお祈りしています。