WEBサービスを立ち上げる際に一番の問題となるのが集客です。

どれだけのお金や手間をかけて開発しても、ユーザーが集まらなければそのサービスの価値は0であるため、特にローンチ直後の場合はいかにユーザーを集めるかが運営の課題となりますが、どのように集客したらよいのかをよく理解している人は少ないのではないでしょうか?

この記事ではWEBサービスの集客に使える集客方法を、成果が出るまでにかかる時間の目安やコストの大きさと共に紹介していますので、WEBサービスの集客でお悩みの方は是非ご覧ください。

はじめに

★広告費は必ず計算に入れておく

自身や一緒に立ち上げるメンバーの中によほど影響力のあるインフルエンサーがいる場合は別ですが、何の知名度のない一般人が開発したサービスをSNSなどで少しシェアしたくらいで自然と大量のユーザーが集まることは皆無であるため、初めに集めたユーザーからの売り上げで広告費を捻出し、その後のサービス拡大に充てるという発送は十中八九上手くいきません。

仮に無料で集客する術を持っている場合であっても、その後のサービス拡大には広告による集客が必須になるため、立ち上げの段階で広告費は必ず用意しておきましょう。

それでは集客方法の紹介に移ります。

※成果が出るまでの期間の目安は「短期」「中期」「長期」の3段階で表しています。

無料編

無料で行える集客方法です。

有料のものよりは効果が薄いのが難点ですが、無料であるため、広告予算にかかわらず必ずやっておくようにしましょう。

1.SNSによる拡散

→成果が出るまでの期間の目安:短期〜長期(長期はSNSボタンの効果)

誰もが思い浮かべるであろう、自身のSNSを使った知り合いやフォロワーへの拡散です。

集客の第一歩は自分の知り合いに使ってもらうことですので、積極的に拡散していくようにしてください(同じ投稿を繰り返すといったしつこい宣伝はうっとうしがられるためやめましょう)。

また、サービス内にSNSボタンを設置することでユーザーにも拡散してもらいましょう。

2.プレスリリースの送付

→成果が出るまでの期間の目安:短期

新聞社やテレビ、ネットメディアなどにプレスリリースを送付し、記事にしてもらうことで拡散します。

掲載される確率が低いため、数を継続して送る必要があることや、掲載されたからと言ってバズるとは限らないのが難点ですが、世間に露出させる効果はあるので必ずやっておきましょう。

プレスリリースを送付する方法は各メディアの受付に直接送る(基本はメール、新聞等は郵便の場合あり)方法と、ValuePress(バリュープレス)といったプレスリリースの一斉送信サイトを活用する方法の2種類があり、後者は場合によっては有料ですが手間を削減できます。

より効果を上げる確率を高めるためには両方やっておきましょう。

3.サービス投稿サイトに投稿

→成果が出るまでの期間の目安:短期〜長期

Service Safari(サービスサファリ)などのWEBサービス宣伝サイトに作ったサービスの情報を掲載することで宣伝します。

はっきり言って効果は無いに等しいですが、ユーザーが集まる可能性がないわけではなく、何より無料で行えるのでやっておくのもいいでしょう。

・Service Safari
https://www.service-safari.com/

4.寄稿による宣伝

→成果が出るまでの期間の目安:短期間〜長期間(記事へのアクセスがある限り効果あり)

NAVERまとめといったキュレーションメディアへの記事投稿や、ネットメディア等への寄稿でサービスを紹介する方法です。

ただサービスの紹介を掲載するのではなく、後述するオウンドメディアで公開するような記事をライティングする能力が必要になりますが、寄稿も無料で行える方法の1つですのでやっておいて損はありません。

前述のサービス宣伝サイトへの投稿よりは格段に効果が見込めます。

予算:小額〜

小額から出稿できる広告による宣伝です。

コストがかかるもののなかでは比較的リスクが少ないと言えます。

1.リスティング広告

→成果が出るまでの期間の目安:短期

リスティング広告とは、Googleなどの検索エンジンの検索結果に表示される広告のことで、自身で設定したキーワードに基づいて自動で表示が行われるクリック課金型のサービスです。

クリック単価も好きな額を設定することができ、単価やリンク先のランディングページの充実度などによって選択したキーワードでの掲載順位が決定されます。

クリックしなければ発生する費用は0であるため、少ないリスクで出稿できるほか、リーチできる「情報を検索している人」は今すぐ情報を求めている(=すぐに興味を示す可能性が高い)ため、短期間で成果を上げることが可能です。

リスティング広告は検索エンジンが運営するサービスであるため、出稿する場合はGoogleのGoogle AdwordsとYahoo!のスポンサードサーチを利用することになります。

2.ディスプレイ広告

→成果が出るまでの期間の目安:中期〜長期

WEBサイトなどでよく目にするバナー広告を出稿する方法で、勝手に提携しているサイトへ広告を配信してくれるアドネットワークと呼ばれるサービスを利用します。

こちらもクリック課金型が一般的であるため低リスクで始めることができるのが利点で、中でもGoogleが運営する「グーグルディスプレイネットワーク(GDN)」やYahoo!が運営する「ヤフーディスプレイネットワーク(YDN)」は個人であっても小額から簡単に始めることができます。

他にもアドネットワークは大量にあり、バナー以外にインフィード広告(サイトのコンテンツに溶け込ませる自然な広告)や動画広告を配信できるところもあるので、使うサービスは自由に選べますが、知識が豊富な専任担当者がいない場合は、使い勝手のよいGDNとYDNを利用しましょう。

今すぐ情報を求めている人にリーチできるリスティング広告よりも集まる人の関心度は低めですが、視認性の高さを生かした認知度の向上に効果があるのが特徴です。

3.アフィリエイト広告

→成果が出るまでの期間の目安:中期〜長期

会員登録や商品の購入といった成果が発生した場合に報酬を支払う成果報酬型の広告手法で、すぐに効果が出る方法ではないものの、地道に継続して続けることで安定したユーザー獲得の基盤が出来上がるのがメリットです。

クリック課金型のリスティング広告やディスプレイ広告よりもさらに低リスクで始めることができますが、報酬単価はこれらよりも高額になる点や、アフィリエイト広告を掲載する媒体主とマッチングするサービスであるASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)の利用には月額数千円〜数万円の固定費がかかることが一般的である点に注意してください。

予算:高額

単価の高い広告です。

一気に露出を増やすことができるため、知名度UPに特に適しています。

1.純広告

→成果が出るまでの期間の目安:短期〜長期(半永久的に掲載される記事広告の場合)

特定のメディアの広告枠(ディスプレイ広告)を買い取って広告を掲載してもらう方法です。

ここまで紹介してきたクリック課金型や成果報酬型の広告とは違って「1ヶ月○○万円」といった期間ごとの契約になる(最低PV数の保証は大抵あり)ため、コストとリスクが高いことが注意点ですが、求めているユーザーが集まるようなメディアに広告を掲載することができれば知名度を一気にアップさせることができるだけでなく、たくさんのユーザーを集めることができる魅力があります。

純広告を募集しているメディアは大手を中心にたくさんありますが、大抵のメディア(特に特定のジャンルに特化したメディア)は「広告掲載について」といったページこそ用意しているものの、詳細は問い合わせる必要がある場合も多いため、媒体資料が公開されていない場合はまず問い合わせてみましょう。

2.タイアップ広告

→成果が出るまでの期間の目安:短期

サービスをPRする記事広告(PR記事)を掲載してもらう方法です。

先程紹介した純広告とかぶっているようにも思えますが、純広告が「広告枠を買い取るもの」であるのに対してこちらは「お金を払ってコンテンツを追加してもらうもの」であり、記事という形でサービスの詳細や魅力をたっぷりと掲載できるため、より深くサービスをPRできるのがタイアップ広告になります。

現在のネットユーザーは広告慣れしているため、一般的なバナー広告は認知度の向上には貢献すれど、直接的なユーザーの獲得にはあまり役立たないことがあるのが難点ですが、タイアップ広告の場合は「広告らしくない広告」として自然にPRできるため、サービス利用の意欲が高い、質の高いユーザーを獲得できる可能性が高くなるのが魅力です。

その他

1.オウンドメディアを運営する

→成果が出るまでの期間の目安:長期

メディアを作るかWEBサービスのサイト内にメディアを設置することでWEBサービスを使うユーザーが求めていると考えられる有益な情報を発信し、集まった訪問者にサービスをPRする方法です。

検索エンジンから集客を行うため、ユーザーにとって有益な情報が含まれているコンテンツ(記事)を多数用意して公開する必要があるのに加えて絶えず情報の更新を行う必要もあり、効果が出るまでに時間もかかるなど、大変な部分も多い方法ではありますが、一度軌道に乗せてしまえば絶えず費用が発生する広告とは違って安定的にユーザーを獲得し続けてくれる「資産」となって大きく化けるため、広告と並行して長期的な戦略として立ち上げることをお勧めします。

まとめ

★いくつのもの方法を試してみることが重要

ここまでWEBサービスの様々な集客方法を紹介してきましたが、どの方法で効果が上がるのかはサービスによって全く異なるため、どれか一つに絞って利用するのではなく予算と相談しながら複数のものを試して一番効果がある方法を探すのが大切です。

このようにいくつもの方法を試してみるためにもできるだけ広告費は多く用意しておいたほうが良いため、サービスの開発を委託する場合であっても資金のすべてを開発費に割くようなことは避け、複数の方法を試しながら継続してサービスをPRしていけるだけの広告費を残しておくことをオススメします