「WEBサービス」と言うと作るのがとても難しそうに聞こえますが、WordPressでプラグインを使えばプログラミングが全く分からない人でも作れてしまうということをご存知でしたか?
コードを一切書かなくてもWEBサービスを構築することができるWordPressプラグインを実際の活用例付きで知りたい方はぜひ最後までお読みください。
プラグインとは
初めにプラグインの概要を簡単にお伝えします。
プラグインとはWordPressへの機能追加や性能の向上を行うために導入する拡張機能で、もちろん無料で利用できます(※追加機能が有料のものもあり)。
ネット上のプラグインの情報は更新が止まって現在のWordPressのバージョンでは利用できないものが多く含まれているという問題点がありますが、この記事では現在のバージョンでも使える、更新が行われているもののみを紹介しますのでご安心ください。
それではプラグインの紹介に入ります。
会員登録機能系
WEBサービスでは必須と言える会員機能を実装できるプラグインです。
類似する機能を持つ多数のプラグインが公開されていますが、無料で利用できるものであれば以下の2つが最適です。
1.Ultimate Member
登録時に入力する情報を自由にカスタマイズできるほか、プロフィール画面のようなアカウントページが搭載されたプラグインです。
2.Simple Membership
会員登録とログイン機能のみが搭載された、PayPalまたはStripe決済による有料会員の設定も行えるシンプルなプラグインで、各投稿や固定ページを会員限定で公開するように保護することができます。
https://ja.wordpress.org/plugins/simple-membership/
ユーザー投稿系
管理画面を経由せずに投稿を作成して公開できるプラグインです。
3.WP User Frontend
WP User Frontend – Membership, Profile, Registration & Post Submission Plugin for WordPress
カテゴリーやタグの設定、画像の挿入を行えるほか、通常のビジュアルエディタに加えて個別の入力フォームなどを設定することでスムーズに投稿を作成することができるプラグインです。
フォームの作成時に少々バグが発生することがあるのがマイナスポイントですが、わかりやすいユーザーインターフェースの投稿フォームを作成できるのはこれだけですので我慢してください。
4.User Submitted Posts
シンプルな投稿フォームを設置できるプラグインです。
先程紹介したWP User Frontendよりも設定が簡単でバグもありませんが、投稿フォームの内容は変更できないため、WordPressまたはブログサービス(アメブロなど)で記事の投稿を行った経験がない人には使いづらい物しか設置できないのがマイナスポイントです。
SNS・フォーラム系
SNSや掲示板等のフォーラムサイトに必要な機能を実装できるプラグインです。
5.BuddyPress
SNSサイトを作成できるプラグインです。
搭載されている機能はグループの作成やグループチャットといった基本的な機能のみですが、追加で機能を実装できる系列のプラグインが非常に豊富なので、それらと組み合わせることで様々な機能を持つSNSサイトやフォーラムサイトを構築できます。
系列プラグインは以下のリンク先のサイトの記事で詳しく紹介されていたのでこちらをご覧ください。
6.bbPress
掲示板を実装するためのプラグインで、先程紹介したBuddyPressと互換性があります。
更新があまりされていないのが不安要素ではありますが、現時点では問題なく使用可能なので、掲示板を搭載する場合はこれを利用しましょう。
作れるサービスの例
紹介した各プラグインを組み合わせることで構築できるWEBサービスの例をご紹介します。
・オンラインカリキュラム
→Simple Membershipによる有料会員機能の搭載と投稿の閲覧制限の設定だけで構築できます。
・会員限定記事を公開するメディア
→オンラインカリキュラムと同様。限定記事にのみ閲覧制限を設定すればOKです。
・画像投稿サイト
→SNSのようなプロフィールページを持ち、投稿を作成したユーザーが確認できるUltimate Memberを導入し、User Submitted Posts(またはWP User Frontend)で投稿機能の実装を行えば構築できます。
・Q&Aサイト
→画像投稿サイトと同じで、Ultimate MemberとUser Submitted Posts(またはWP User Frontend)で構築できます。コメントの投稿機能を会員向けにのみ公開し、投稿として公開された質問にコメントで返信する仕組みにすれば構築できます。
・フォーラムサイト/SNS
→BuddyPressとUltimate Memberに加えてBuddyPressの系列プラグインであるBuddyPress Activity Plus(画像の投稿を実装)の3つ導入すれば基礎が完成するので、あとはbbPressで掲示板を実装したりWP User Frontendとコメント機能でQ&Aサイトのように運営するなどの使い方ができます。会員登録を承認制にすることで社内やサークル内専用のフォーラムにすることも可能です。
・マッチングサイト
→Ultimate MemberとUser Submitted Posts(またはWP User Frontend)を導入し、BuddyPressでグループやユーザー間のプライベートチャットを実装すれば構築できます。仕組みはQ&Aサイトでは質問と回答に使用していた投稿とコメント投稿の2つの機能をマッチングの募集用に利用し、人が集まった時点でBuddyPressのプライベートチャットに切り替えるというものです(例:イベント運営の有志を集める/ビジネスのマッチング)。
・ユーザー投稿型のキュレーションサイト
→Ultimate MemberとWP User Frontendを使えば構築でき、BuddyPressも組み合わせれば投稿者同士のコミュニケーションも個人情報を明かさずに行えるようにできます。
・その他ユーザー投稿サイト全般
→Ultimate MemberとWP User Frontendで大体は構築可能です。
まとめ:WordPressで作れるのはコンテンツが絡むサービス
ここまでプラグインと作れるサービスの例の紹介を行ってきましたが、例として示した全てのサービスには「ユーザーが何らかのコンテンツ(投稿)を投稿するか、コンテンツを閲覧するもの」という共通点があります。
これはWordPressが本来はブログを制作するためのものであることを考えれば当然ともいえますが、豊富なテーマ(デザインテンプレート)とプラグインを活用することでこのようなWEBサービスも簡単に作れてしまうのがWordPressの魅力ですので、ぜひWEBサービスの開発と運営にもチャレンジしてみてくださいね。